〜サウンド・インテリア【XS】〜
音の気配
先のコラム「都市空間におけるサウンドの在り方【SOUND GARDEN】」公開後、各方面より様々な声をいただきました。これについては随分と前から様々なメディアでお話してきてつもりでしたが、なかなか社会実装までにはハードルも高く、、しかし時代の変化でしょうか?こんなにたくさんご興味持っていただけるとは思っておらず、ありがとうございます!せっかくなので今回はもう少し深く掘り下げながら、ディティールに触れられればと思っています。
LMS (Labratory for Metropolitan Sound)、直訳しますと”都市の音のためのラボラトリー”になりますが、これにはサウンドスペースデザインにおける私たちの考え方とアプローチも込められています。空間の様々なボリュームに置き換えると、L=大型商業施設、M=中小規模店舗、S=住宅、あるいはフォーマットに置き換えると、L=恒久設置、M=期間展示/インスタレーション、S=プロダクト/インテリアという位置付けになるでしょうか。建築家やインテリアデザイナーなど、空間におけるUXをデザインしている方々はすぐにピンとくる、あるいはスムーズに頭に入ってくるかと思いますが、ただ漫然とサウンドコンテンツを提供するというのではなく、ソフト&ハード含めた空間における視覚聴感上のUXをデザインする私たちにとっても、条件によってそのアプローチは大きく異なります。建築家が敷地とその地域のコンテクストを詠むように、それは必然的にサイトスペシフィックな要素を内包しつつ、コストバランスさせてゆくものだからです。
昨年から続くコロナ禍、かつ東京オリンピックの開幕という今、都市の状況は著しく混沌の様相を呈しています。オリンピック需要を見込まれて着工された数々の建築は、COVID-19の影響で感染拡大防止や国内外の物流の遅延により施工が一時的に滞り、また当初想定されていたOPEN後のインバウンドが期待できないなど、数年前に想定された計画が正常に機能し難いという状況変化にフレキシブルな対応が求められています。建築家やインテリアデザイナーと同様に空間を前提としたデザインを行う私たちも同じく困難な局面と対峙していると言えます。
新設されたばかりではありますが、そんな状況において私たちが出来ることを独自に発信してゆきたい、という気持ちからこの「XS」が生まれました。L (Large)、M (Mideum)、S (Small)よりも、最小のXSコンテンツ。先のコラム「都市空間におけるサウンドの在り方」にて触れております【SOUND GARDEN】システムによるサウンドコンテンツを住宅環境での聴取を前提にカスタマイズし、気象情報APIによるサウンドの生成をそれぞれA面(天候=晴れ)、B面(天候=雨)にカセットテープに収めました。その名の通り、新緑をイメージさせるカラーデザインとミニマルなオリジナル特殊パッケージによって、プロダクト/インテリアとしての機能を強調させたオリジナルデザインのノベルティとなっています。販売はしておりませんが、限定個数でご挨拶させていただいた方へお配りしておりますので、ご興味持たれた方はお気軽にご連絡ください。